あつい。なんだろう、これは。
瞬きを数回して、戸惑いを隠すようにかき氷を吸い上げる。ずごーっ、と低い音がして、口の中にはイチゴ味が広がった。
「あ、そ、そうだ!」
「……なに」
「今日の由香、めっちゃ綺麗やったよね!」
沈黙を埋めようと口を開けば、出てきたのはそんな言葉。
「あー、うん。どっかの誰かさんと違って」
「ねー! ……うん?」
「寸胴は和服が似合うって言うのにな」
「え、なんか残念そうにあたしを見てるような気がするのは何故?!」
「……さあ?」
「ひどっ! ちょっとひどくないか、それ! そりゃ、あたしは由香みたいに綺麗じゃないし、似合わんし、可愛くないけどさー!」
「別に、可愛くないとは言ってない……し……」
はた、と。
隣に座る柊と、目が合った。
「……え」
何、だって?
この人、今、何を。
顔に熱が集まる。一気に赤くなったのが、自分でも分かるくらいに。
「……何でもない」
柊は呟いて、ふいっと顔を背けたけど、あたしはまたフリーズしてしまった。
ぼーっと柊の襟足を眺めていたら、顔を鷲掴みされて、強制的に逆を向かされた。