「あっははははは! 柊パパさいこーやね!」
「みどちゃんママも、なかなかっすねー!」
「ちょー、トシちゃんも飲もーよー!」
「ついでに俊彦、おかわりー!」
へらへらと笑って、ビール片手に大声で話す二人。
「……お前らの親、どうにかしてこい」
げんなりとした顔で、俺とみどりに言った俊彦。
やっぱり、こうなると思った。
「おかーさん、お酒はほどほどにねー」
トウモロコシにかぶりつきながら、みどりはそう言うけど、完全に無視されている。
「柊くん柊くん、お肉焼けたで! ほら成長期!」
「え、もういらないんですけど……」
「遠慮しやんくていいよー、食べな食べなー!」
みどりの母親は、俺の皿に焼けた肉を次々と入れてくる。いらないと言ったところで、聞く耳を持たないから、増えていく肉を呆然と見つめて、溜め息を吐いた。
さっきからずっとこんな調子で、二人はげらげらと笑っている。
「それにしても、やっぱ柊くん格好いいねー! 目の保養やわー!」
「みどちゃんも可愛いじゃないですかー、小さくてー」
こんなに大声で話していたら、近所迷惑じゃないか。そう思ったけど、近くにあるのは田んぼと畑だけ。近所迷惑という前に、近所に家が無かった。
「明日きつくても知らんぞー」
そう言って俊彦が二人の前にビールを置く。