「お、発見!」
嬉しそうなみどりの声に顔を上げれば、たらたらと走る軽トラが田んぼの向こうに見えた。もっと長い時間探し続けなければいけないと思っていたけれど、そうでもないらしい。
探し始めてから数分で見つけられたことに少し驚いていると、隣にいたみどりは走り出した。ゴミ袋を二つ持っているはずなのに、あっという間に軽トラまで追いつく。
「しゅー、早くーっ!」
呆然としていれば、みどりはあぜ道の途中で振り返り、大声で俺を呼ぶ。仕方なく俺も走って、なんとかみどりに追いついた。
すでに軽トラにゴミ袋を二つとも乗せ終えたらしいみどりは、運転席を覗き込んで、楽しそうに話していた。
「あ、柊! やっと来た!」
「……暑い」
「そのわりに涼しそうな顔しとるよー」
けらけらと笑うみどりの声を聞きながら、俺もゴミ袋を乗せる。腕にかかっていた負担がなくなると、一気に身体が軽くなった。
「っていうか、誰と話してるわけ?」
少し気になって、みどりの後ろから、ちらっと運転席を覗き込む。
そこに座っていたのは、手ぬぐいで頬被りをした小さなおばあさん。どこかで会ったことがあるような気がして、記憶を辿る。
「……えっと」
「中村のおばあちゃんやよー!」