「おー、じゃあみどり、ついでに俺らのも持って行ってくれるかー?」
「え、無理やよー! もう二つも持っとるし」
「みどりなら持てるやろ」
「いやいや、それは無理やわ」
「んー……、そんなら柊、お前行ってくれるか?」
「……は?」
話の流れが分からない。
疑問だらけで首を傾げれば。
「ゴミ回収してくれる軽トラが、その辺走っとるはずやから、みどりと一緒に行ってきて」
早口でそう言た俊彦は、よろしく、と付け足して、さっき抜いた雑草がパンパンに詰まっているゴミ袋を指差した。
「……え、面倒くせ」
「そんじゃ、柊、行こかー!」
みどりは両脇に置いていた二つのゴミ袋を持ち上げる。一つだけでも結構重いのに、どこにそんな力があるんだ、みどりは。
ぼんやりと眺めていると、すでに歩き出していたみどりが振り向く。
「おーい、柊さーん?」
まだ立ち止まっていた俺を、不思議そうに見つめた。
「……みどりって怪力?」
「え、なに?」
「……何でもない」
ぼそりと呟いて、ゴミ袋を持ち上げ、みどりの隣に並んだ。
二人の間を、生暖かい風が控えめに吹き抜けた。