空っぽのジョウロをぶらぶらと揺らしながら、水道へと足を向ける。

それに気付いた由香が、慌てて水をやり終えて、あたしの隣に並んだ。


「てかさ、ジョウロやといちいち汲みに行くの面倒くさいし、ホース使わん?」

「いいけど、プール掃除のときみたいになったら嫌っちゃう?」

「大丈夫やろー、多分」

「多分って……」


呆れたような声を聞きつつ、足を進める。

すると、先に水道に行っていた柊とたっくんが、ホースを運んで来ていた。


「あ、ホース……!」

「いちいち汲みに行くの面倒くさいやろー?」


白い歯を見せて笑うたっくん。あたしと同じ思考回路みたいだ。


「でも、プール掃除のときみたいになったらどうすんだよ」


由香と全く同じ心配をする柊に、思わず吹き出してしまいそうになった。

隣にいる由香もあたしと同じことを思ったのか、苦笑している。


「まーまー、大丈夫やってー」

「本当かよ」

「心配性やなー」


たっくんはそう言って、けらけらと笑った。