「成績は?」
「いつもと同じ感じー」
「上がった?」
「うん、ちょっとだけやけどね」
大小様々なジョウロは四つ。そのうちの二つはすでに水が入っている。
あたしは空っぽのジョウロを一つ取り、蛇口を捻った。隣で由香も、もう一つのジョウロに水を入れ始める。
「由香は三者懇いつなん?」
「明日の二時から」
「俺は由香のすぐあとやで」
水がなみなみ入った一番大きなジョウロを持って、たっくんは言う。
「柊は?」
「明日の六時から」
そう言った柊は、一番小さなジョウロを持ち、たっくんの隣に並んで歩き出した。
六時からって、かなり遅い時間だな。パパさんが帰ってくるの、遅いってことかな。
「っていうか、ちゃっかり一番軽いの持ってかれた……!」
「あー、はいはい。ほら、行くよ」
由香に促されて、あたしは慌てて水を止める。
ジョウロを持ち上げると、たぷん、と中の水が音を立てた。