付け足してそう言った雅子先生の声で、思考は遮られた。
教師だって、そんなに簡単になれるものではないだろう。一気に、現実に引き戻された気がする。
「それに、みんな一緒じゃないしな」
「まー、そうですねー……」
ずっとこのままで、なんて、きっと夢物語に過ぎない。
あたしたちは嫌でも大人になるし、それぞれ違う道に進んでいくのだから。
「難しいなー……」
それでも。
今まで考えてもみなかった、新しい道を見付けられたような気がした。
その道は、きらきらと輝いて眩しかった。
「あ、みどー!」
その声に顔を上げると。
「由香、たっくん、柊!」
三人が水道で、ジョウロに水を入れていた。
「三者懇どうやった?」
「ん、普通やった」
「あっそう」
そう言って由香の隣に並ぶ。車で来ていたお母さんは、あたしの鞄を積んで、先に家に帰った。