「ただのなぞなぞかよ」

「流れに騙されたらいかんって話やね!」

「うっせ」


汗が頬を伝う。

夏の風は、暑さと湿っぽさを含み、容赦なく吹いてくる。


「……夏やなー」

「あっつー」


太陽は西にあっても、沈む最後の最後まで、じりじりと焦がすような日差しであたしたちを照らした。













最近は暑くなってきたから、ご飯よりも先にお風呂に入っている。


「おかーさん、お風呂出たよー、お先ー」


ほてった身体に、クーラーの利いたリビングは天国。

ガシガシとタオルで髪を拭きながらそう言うと、もう夜ご飯が出来ていた。

今日は出来るのが早いなーと思って、食卓の上に目を向ければ、唐揚げだった。


「お、唐揚げー!」

「こら、みど、つまみ食いするんやったら、ちゃんと座りな」

「はーい」


そう言うお母さんは、録画しておいた昼ドラを、寝転がって柿ピー片手に見ている。

理不尽だと思いつつも、椅子に座って唐揚げをつまもうとしたら。


「あ、みど、ちょっと待って」

「ほ?」