あれから何日経っただろう。


おなかがすいた、と小さく呟くと、リクが仕方ないなあ、といつものように少し困った笑みを浮かべた。



これで最後だよ、とリクが手のひらにのせたものを私の顔の前に差し出す。


目が覚めるほどに鮮やかな真紅の林檎。


視界に入ったとたん、私は反射的に目を閉じ、無意識に口を開いていた。



乾いた唇に触れる、つややかな冷たさ。


歯を立てると、甘い甘い果汁が口の中に一気に広がり、渇いた喉をじわりと潤した。



おいしい、と言うと、もっと食べな、とリクが笑う。


もう一口食べてしまうと、最後の食べ物である林檎は残り半分ほどになっていた。



あとはリクの分、と私は身を引く。


リクは小さく首を横に振り、ウミに食べてほしいんだ、と言った。



嬉しくて悲しくて切なくて、私はぶんぶんと首を振る。



じゃあ、一緒に食べよう。



ひとつの林檎に、私とリクは両側から歯を立てる。


しゃく、しゃく、と軽やかな音が重なる。



いつの間にか林檎は芯を残して消え、私とリクは互いの唇を噛み合っていた。