その目に、すいこまれそうになる。

視線が離せない。


「風邪、じゃないんですか?」


あくまで丁寧に私は話す。

感情を出してはだめ。

嵐のように巻き起こる感情の風に、必死で耐える。


「行方不明だ。金曜日の夜から家に帰っていない」


「金曜日の夜?」


「今日が水曜日だから、もう6日も行方不明だ。なにかしらの事件に巻きこまれた、と我々はみている」


結城が資料をめくりながら言った。

否が応でも、さっき悠香が言った言葉が頭をよぎる。


『ほら、最近変な事件はやってるでしょう?』


江梨子があの事件に巻きこまれて・・・・・・?


「それって、ひょっとして、あの事件・・・・・・?」


結城が私を見て3秒あとにうなずく。


「4件目の失踪者の可能性が高い」


「ウソ・・・・・・」


女子高生の連続失踪事件。