「それ、それだよ! その態度! いっつも冷静なフリしやがって。手柄はいつもお前。俺がどんなにがんばっても、結局はお前が全部持っていくもんな!」


咆哮が耳元で爆発する。

そのたびに、ほほに強く押しつけられる拳銃。


「俺が解決したんだから仕方ない」


「ああ、そうだよ! お前はすごい刑事だよ! 俺にはかなわないもんな」


「だから?」


ジリッと、少し結城が前に出た。

荒い息を繰り返し吐きながら、橘は甲高い声で笑った。


「だから、だから今度は俺がお前のものを奪うんだ」


「なに?」


「お前のせいでこいつは死ぬ。お前はそれを一生後悔すればいい! 殺してやる!」


そう叫ぶや否や、橘はさらに強く銃口をつきつける。



殺される!?



そう思った瞬間、結城の銃が火花を放った。




ドンッ



お腹にまで響く重低音がしたかと思うと、首にあった橘の手がゆるんだ。