角を曲がったところまでゆっくり歩いて、そこから一気にダッシュする。

このまままっすぐ行けば、バス停のある広い通りに出るはず。

まだ友季子がバスに乗っていなきゃいいけれど。

急がなくちゃ。

息を切らせながら、大通りへ出ると左へ走る。


「あっ!」


遠くに友季子のうしろ姿が見える。

のんびりした歩き方で、ゆっくりバス停に向かっているみたい。


良かった・・・・・・。

ホッとして足をゆるめると、息を整えながら向かう。

もし今バスが後ろから来ても、ダッシュすれば間に合うくらいの距離。


気のゆるみが、友季子に声をかけるのを後回しにした。


ブオオオ


すごい勢いで車道を黒いセダンが追い抜いてゆく。

歩道まで風圧がくるほどの暴走ともいえるスピード。

危ないな、あんなスピード出して。

それより、もう少しで友季子のそばへ・・・・・・。


顔をあげた私の目に映ったのは、急ブレーキをかけて友季子のそばに停まる車。