『しかし、部屋のなかには割ったと思われる物は転がってなかった』


「は?」


信じられない。

なに言ってんの?


『外から石かなにかを投げつけたにしては、部屋の中にも、外の地面にすらそれらしき物はなかったんだ』


「だからなんなのよ」


『隣の部屋からストッキングかなにかに石を入れて、思いっきり横に振れば、きっと割れる』


友季子の黒いストッキング姿・・・・・・。

たしかにさっき履いていたけれど、だけどそんなはずない。


『部屋のドアが開いていたのも、小野友季子が割る前後に開けておいた可能性もある』


「もうやめて!」


気づけば叫んでいた。


『琴葉』


「呼び捨てにしないで! なんで……なんでそんなひどいこと言うの!? 私の友達なのに……大事な友達なのに」


涙があふれた。

結城はやっぱり刑事なんだ。

私のことも、友季子のこともなんにもわかっていない。