正直クタクタだ。


早く部屋に帰りたい。

結城は戻って来ているとは思えないけれど、帰ってきたら今日のことを謝ろう。

そして、お礼も言わなきゃ。

そんなことを考えていると、ふと目線の先に誰かが立っていることに気づく。


街灯の下。


次第に見えて来るその後ろ姿。


「結城・・・・・・さん?」


私の声に、ハッと振り向くその姿。

やはり結城だった。

帰って来てくれたんだ。

うれしさのあまり駆け出そうとする足が、瞬時に止まる。


結城に誰かが抱きついていたのだ。


結城の背中に細い両手がまわっている


「え・・・・・・」


その女性があわてて結城から離れた。

若くてきれいな髪の女性。


いや、顔もキレイ。