「ん?」


橘は口角をあげて私を見た。


「その・・・・・・、結城さん、は?」


どこに行ったんだろう?

たしかにこの部屋に入るまではそばにいてくれたのに。


「捜査に戻ったよ」


「捜査・・・・・・」


「結城は仮にも君の近い存在なんです。だから、事情を聞くにはふさわしくない、と上が判断したんですよ」


「はい・・・・・・」


でも、そばにいてほしかった。


ワガママなのはわかっているけれど、こんなときだからこそそばにいてほしかった。

彼がいないと息苦しい。

もう一度、「大丈夫だ」と私を安心させてほしい。

そうじゃなきゃ、なんだか不安でたまらないよ。



怖くて仕方ないよ。