「ウソ」


「ウソ?」


きょとんとした顔で、レポーターは繰り返した。


「私たちの後をつけて来たんでしょう? なんなんですか、本当に」


いけない、とわかっていても声が荒くなる。

ほんと、無神経もいいとこだ。


「やあねぇ。あなたたちを追い回すほど、私だってヒマじゃないわよ」


クスクスとレポーターは笑った。

それが、またムカつく。


「用がないんですね? だったらどいてください」


一緒の空間にいたくなかった。

さっさと出て行こうとした私にレポーターは両手を広げた。

とおせんぼのつもりらしい。


「琴葉さん、取引しない?」


「取引?」


「そう。あなた、この間の刑事さんと仲が良いんでしょう? 捜査の情報をちょっと教えてもらえないかしら?」


「は?」