「その話はいいの。それより、事件のことを考えなきゃ」


「あ、そうだった」


舌を出す友季子。


「じゃあ、なんで悠香はターゲットになったんだろう」


浩太の問いかけに、私たちは黙る。

見張っていたのではない、としたらどうやって悠香のことを知ったんだろう?

同じクラスからふたりも行方不明になったのは、ただの偶然なのだろうか?


それとも・・・・・・。


ふと、頭に浮かんだ考えを私はそのままふたりに言ってみた。


「私たちの知っているなかに、犯人がいたりして」


「ええ?」


友季子が軽く笑って言うが、私が笑っていないのを確認すると口をつぐんだ。

言葉にすると、なんだか今言ったことが正しいことのように思えた。


「いろんな考え方のうちのひとつだから」

と、断ってから続ける。


「連れ去られたのは、全員高校生でしょう? しかも、ニュースで見るかぎりだとかわいい子ばっかだったよね?」


「まぁな」


少し照れたように浩太が言う。