「そう。例えばさ、なんで犯人たちは私たちのクラスの生徒を狙ったんだろう?」


「うーん」


友季子が首をかしげた。


「確かにそうだよな。なんで俺たちのクラスだけなんだ?」


浩太が身を乗り出してくる。


「私もおかしいと思うんだよね。それまでの3人は全然違う街じゃない? なのに、急にターゲットの範囲が小さくなってるよね?」


「あー、たしかに」


友季子がようやく理解した、というふうにうなずく。


「やっぱ、あれかな」


浩太が眉をひそめた。


「あれ、って?」


浩太と目が合う。


「悠香さ、心配になって江梨子の家を見に行ったじゃん」


「ああ」


そう言えば、そんなこと言ってたっけ。


「そん時にさ、犯人に見られたんじゃね?」


そう言う浩太の顔がくやしそうにゆがむ。