―――会いたい



凍えた唇で呟く。



―――会いたい

会いたい

会いたい

あなたに会いたい………



かすれた囁きは、唇から離れると同時に、雪に吸われて消えた。


自分が声を出しているのかどうかも分からなくなる。



誰にともなく、自分にさえも聞こえない声で、会いたい、会いたい、と繰り返しているうちに、のどの奥のほうが絞られたように苦しくなってきた。


目頭が熱くなる。

瞼に涙がたまってくるのが分かる。



―――会いたいよ

ねえ………どうして死んでしまったの?



自分の呟きで、一気に涙が溢れた。


一度溢れはじめると、とめどなく流れ続ける。



冷えきった頬に伝う涙は、驚くほど熱い。


唇の隙間に入り込んできた涙は、うっすらと塩の味がする。