恋は、するものじゃなくて、落ちるもの。


そのことを知らない人には、私の思いは理解できない。




私は、ほんものの恋を知ってしまった。


一度とらわれたら、もう二度とのがれることなんてできない、そんな恋。



彼を手に入れるためなら、何を失ったっていい。


彼と一緒にいられるのなら、誰を傷つけたっていい。


彼以外、何もいらない。



たとえ世界が破滅したあとの渇いた荒野であっても、

そこに彼さえいれば、私にとっては、

薔薇の花と聖なる水に溢れた、美しい楽園になる。



………そんな恋を、私はしている。



たとえ、その恋が、奈落の底へと堕ちるしかない運命だとしても―――




私はこれっぽっちも、この恋を諦めるつもりはない。



彼以外、いらない。


彼以外、どうでもいい。


すべて、どうでもいい。