いつか

遠い遠い未来で


もしかしたらあるかもしれない

『いいこと』



そんなものに

なんの価値があるだろう



それは


今のこの苦しみを

胸をかきむしりたいほどの苦しみを

耐え抜くだけの価値を

本当にもっているのか



そんな不確かなものを信じて


泥水に埋もれながら

息も切れ切れになりながら


地獄のような日々を生きていくなんて


そんなこと

できるわけがない



遠い幸福を願うよりも

目の前の苦しみから解放されるほうが

ずっとずっと幸福なのだ



死にたいほどの苦しみというのは

そういうものなのだ



それを知らない大人たちが

知ったような口をきく


自慢げに結果論を語る



あたしは

結果になんか興味はない


結果も未来も

あたしには意味がない



目の前のことだけ

この苦しみから逃れることだけ



それしか考えられない