「最低。許せない!」
「美月のこと、もっと考えてもいいんじゃない⁉」
「美月が死んだこと、悲しくないの⁉」
彼女たちは激しく怒り出し、口々に文句を言い出したけれど、正直もうどうだってよくなった私はぷいと顔を逸らした。
もう、無視して部室に戻っていいかな。
「美月じゃなくって、あんたが死ねばよかったのに!」
と、彼女たちのひとりの声が、耳に飛び込んでくる。
その言葉にはさすがに無視できなくて、私は顔を戻した。
「それ、言っていい言葉じゃないよ」
口を開こうとした私よりも早く、冷静な声がした。
「それは、言っちゃダメでしょう。何やってんの、君たち」
声の主は、穂積くんだった。
トレーニングウェア姿の穂積くんは険しい顔をして私と彼女たちの間に入り、私を背中に隠すように立った。
園田くんと先に出て行ったはずの穂積くんが、どうしてここにいるの?
「穂、穂積。あたしたち、その」
「福原さんが、穂積たちを騙してるんじゃないかって、思って」
「そう! だって、美月に恩があるのにこの子」
動揺を隠せない彼女たちに、穂積くんは鼻で笑った。
「美月ちゃんの死を武器にして、人を傷つけてるのは君たちだよね。ていうか、普通にこれいじめだよ」
「ち、違うの! だって!」
「違わない。あのさ、こんなことしたって美月ちゃんは喜ばない。杏里も喜ばない。二人とも今この場に居たら、怒ったと思うよ。少なくとも俺は今すごく怒ってるし、君たちを軽蔑してる」
その声は、最初に私を責めた時の声よりも冷ややかだった。
背中がゾクリとするくらい冷え切っていて、穂積くんの怒りが深いのだと分かる。
「美月のこと、もっと考えてもいいんじゃない⁉」
「美月が死んだこと、悲しくないの⁉」
彼女たちは激しく怒り出し、口々に文句を言い出したけれど、正直もうどうだってよくなった私はぷいと顔を逸らした。
もう、無視して部室に戻っていいかな。
「美月じゃなくって、あんたが死ねばよかったのに!」
と、彼女たちのひとりの声が、耳に飛び込んでくる。
その言葉にはさすがに無視できなくて、私は顔を戻した。
「それ、言っていい言葉じゃないよ」
口を開こうとした私よりも早く、冷静な声がした。
「それは、言っちゃダメでしょう。何やってんの、君たち」
声の主は、穂積くんだった。
トレーニングウェア姿の穂積くんは険しい顔をして私と彼女たちの間に入り、私を背中に隠すように立った。
園田くんと先に出て行ったはずの穂積くんが、どうしてここにいるの?
「穂、穂積。あたしたち、その」
「福原さんが、穂積たちを騙してるんじゃないかって、思って」
「そう! だって、美月に恩があるのにこの子」
動揺を隠せない彼女たちに、穂積くんは鼻で笑った。
「美月ちゃんの死を武器にして、人を傷つけてるのは君たちだよね。ていうか、普通にこれいじめだよ」
「ち、違うの! だって!」
「違わない。あのさ、こんなことしたって美月ちゃんは喜ばない。杏里も喜ばない。二人とも今この場に居たら、怒ったと思うよ。少なくとも俺は今すごく怒ってるし、君たちを軽蔑してる」
その声は、最初に私を責めた時の声よりも冷ややかだった。
背中がゾクリとするくらい冷え切っていて、穂積くんの怒りが深いのだと分かる。