四人でほんわかしていると、「なんか珍しい組み合わせだけど、どうしたの?」と声がかかった。
声のした方を見ると、隣のクラスの渡部さんのグループが立っていた。


「三組の、福原さん、だよね? 何で園田くんたちと一緒にいるの?」


渡部さんたちはみんな、女子バレー部員だ。トレーニングウェア姿の彼女たちは、私をじろじろと見て、それからテーブルに広げたお弁当に視線を向けた。


「これ、手作り? 何で福原さんが二人に作ってんの?」

「……まさか、美月の真似?」

「は? 意味わかんないし。園田くんが美月以外の女の弁当食べたりしないでしょ」


彼女たちの視線が再び私に向けられる。その眼にはあからさまな敵意があった。


「あ、ええと」


その強い目に言葉を失いかける。
何て言えばいいものかと頭を必死に巡らせていると、「俺が頼んだんだ」と明るい声がした。


「俺、今陽鶴ちゃんのこと狙っててさー。すっげえ頭下げてお弁当作ってもらったの。で、二人きりだと断られそうだったから、杏里に付き合ってもらってるんだわ」

「は?」


渡部さんたちが目を見開いた。もちろん、私たち三人もである。

なんでそうなるわけ?