「ごめん、少し遅れた」
「全然いい。とりあえず、横座る?」
「いやいい。で、話って何?」
長尾くんは、さっさと用件を済ませようというつもりのようだ。
まあ、私だって長々と世間話をするつもりはないので、すぐに本題に入ることにした。
「さっそくだけど。長尾くんさ、去年の冬に園田くんのお姉さんに告白して、フラれてるよね」
前置きなく、切り出した。
園田くんのお姉さんは一つ上の学年で、別の高校に通っている。
中学の時に見かけたことがあるが、ふんわりした雰囲気のとても可愛らしい人だ。
長尾くんがこれまで誰とも付き合わなかった理由は、園田くんのお姉さんにずっと恋心を抱いていたから、らしい。
「はぁ⁉」
長尾くんが大きな声を出した。
「何でそれを福原さんが知ってるの。それ、杏里しか知らないはず……」
「美月ちゃんも、知ってるよね?」
「え? ああ、うん。彼女も知ってたよ。で、どうしてそれを君が? 二人は人に言いふらすような奴らじゃないし……」
これは、長尾くんを動揺させるには充分な話だったらしい。
狼狽えた様子の長尾くんに、私は続けた。
「私は、美月ちゃん本人から聞いたの。美月ちゃんは、緊急事態だから許してほしいって」
「は? 緊急事態って何。いつその話を聞いたの」
「ついさっき。私、実は美月ちゃんの幽霊と一緒にいるの」
「は?」
彼の目が瞬き、ぱくぱくと口を開いては閉じを繰り返す。
それから私のことを気味悪いものを見るような目で見た。
「全然いい。とりあえず、横座る?」
「いやいい。で、話って何?」
長尾くんは、さっさと用件を済ませようというつもりのようだ。
まあ、私だって長々と世間話をするつもりはないので、すぐに本題に入ることにした。
「さっそくだけど。長尾くんさ、去年の冬に園田くんのお姉さんに告白して、フラれてるよね」
前置きなく、切り出した。
園田くんのお姉さんは一つ上の学年で、別の高校に通っている。
中学の時に見かけたことがあるが、ふんわりした雰囲気のとても可愛らしい人だ。
長尾くんがこれまで誰とも付き合わなかった理由は、園田くんのお姉さんにずっと恋心を抱いていたから、らしい。
「はぁ⁉」
長尾くんが大きな声を出した。
「何でそれを福原さんが知ってるの。それ、杏里しか知らないはず……」
「美月ちゃんも、知ってるよね?」
「え? ああ、うん。彼女も知ってたよ。で、どうしてそれを君が? 二人は人に言いふらすような奴らじゃないし……」
これは、長尾くんを動揺させるには充分な話だったらしい。
狼狽えた様子の長尾くんに、私は続けた。
「私は、美月ちゃん本人から聞いたの。美月ちゃんは、緊急事態だから許してほしいって」
「は? 緊急事態って何。いつその話を聞いたの」
「ついさっき。私、実は美月ちゃんの幽霊と一緒にいるの」
「は?」
彼の目が瞬き、ぱくぱくと口を開いては閉じを繰り返す。
それから私のことを気味悪いものを見るような目で見た。