ここ数日は私の足の怪我のせいで家に閉じこもりきりだったけれど、明日からは学校に行ける。
そして、学校に行くというのには、重大な目的があった。
それは、園田くんに、美月ちゃんの幽霊がこの世に存在していると伝えること。
園田くんには、真っ先に伝えなくてはいけない。
葬儀の時の、あの憔悴ぶりを思い返すと、胸が痛む。
きっと、彼女が魂だけとはいえここにいることが分かれば、彼は喜ぶんじゃないだろうか。
それに、美月ちゃんの『心残り』はきっと、園田くんが関わっていることだと思うのだ。
「ねえ、美月ちゃん。園田くん、どういう風に声を掛けたらいいと思う?」
英文と睨めっこをしていた私は早々にギブアップして、冊子を閉じた、
それから、体ごと美月ちゃんに向き合う。
彼女はくりんと目を丸めて、「簡単じゃない?」と言った。
「美月がここにいますよー、でいいんじゃないかな」
そんな美月ちゃんに、「それは却下」と私は切り捨てる。
「いきなりそんな話題振ったって、信じてもらえる訳がないよ。もっとうまい切り出しかた、ないかな」
「えー、そうかなあ。だって、見えるのは本当だもの。あーくん、ちゃんと話を聞いてくれると思う」
「ダメだよ」
ペンを机に放り、ため息をつく。
「あのね、園田くんがちょっとあり得ない話でも耳を傾けるのは、美月ちゃんだけなんだよ。多分、私が急にそんな事を言っても信じてもらえないと思う」
そうなのだ。
『美月ちゃんだけ』な園田くんに話しかけるだけでも、大変なのだ。
話をする時間をくれるのかどうかも怪しい。
そこに『美月ちゃんの幽霊が見えます』みたいな話を持って行って、果たして彼が素直に聞いてくれるかどうか。
答えはノーだ。
彼ときちんと話が出来て、しかも美月ちゃんの存在を信じさせるまで。
これは結構ハードルの高い問題だ。
美月ちゃんが思っているよりもずっとずっと難しい。
そして、学校に行くというのには、重大な目的があった。
それは、園田くんに、美月ちゃんの幽霊がこの世に存在していると伝えること。
園田くんには、真っ先に伝えなくてはいけない。
葬儀の時の、あの憔悴ぶりを思い返すと、胸が痛む。
きっと、彼女が魂だけとはいえここにいることが分かれば、彼は喜ぶんじゃないだろうか。
それに、美月ちゃんの『心残り』はきっと、園田くんが関わっていることだと思うのだ。
「ねえ、美月ちゃん。園田くん、どういう風に声を掛けたらいいと思う?」
英文と睨めっこをしていた私は早々にギブアップして、冊子を閉じた、
それから、体ごと美月ちゃんに向き合う。
彼女はくりんと目を丸めて、「簡単じゃない?」と言った。
「美月がここにいますよー、でいいんじゃないかな」
そんな美月ちゃんに、「それは却下」と私は切り捨てる。
「いきなりそんな話題振ったって、信じてもらえる訳がないよ。もっとうまい切り出しかた、ないかな」
「えー、そうかなあ。だって、見えるのは本当だもの。あーくん、ちゃんと話を聞いてくれると思う」
「ダメだよ」
ペンを机に放り、ため息をつく。
「あのね、園田くんがちょっとあり得ない話でも耳を傾けるのは、美月ちゃんだけなんだよ。多分、私が急にそんな事を言っても信じてもらえないと思う」
そうなのだ。
『美月ちゃんだけ』な園田くんに話しかけるだけでも、大変なのだ。
話をする時間をくれるのかどうかも怪しい。
そこに『美月ちゃんの幽霊が見えます』みたいな話を持って行って、果たして彼が素直に聞いてくれるかどうか。
答えはノーだ。
彼ときちんと話が出来て、しかも美月ちゃんの存在を信じさせるまで。
これは結構ハードルの高い問題だ。
美月ちゃんが思っているよりもずっとずっと難しい。