「ああ、あーくん。 あたしの大好きなあーくん。 大好きだよ。 ねえ、覚えていてね。 あたしが、あーくんを大好きだったこと。 あーくんが、あたしを大好きだったこと。 あたしが、この世界で確かに生きていたこと。 あーくんの傍で、生きていたこと。 きっと、覚えていてね」 「忘れるわけ、ないだろ……」 唇の隙間から絞り出す声に、美月ちゃんは「ありがとう」と言った。