「俺、さ」

「うん」

「好きなんだ」

「なにが?」


主語がない。
首を傾げて訊くと、穂積くんは「だから」と声を少し大きくした。


「ヒィちゃんが! 好きなんだ!」

「ふお」


変な声が出た。
え? 穂積くんが、私を?


「な、なんで?」

「なんでって、もう今はヒィちゃんだからとしか言いようがないんだけど、」


穂積くんは私を真っ直ぐに見て続けた。


「杏里と美月ちゃんのために頑張ってる姿をずっと見てたからだと思う。最初はいい子だなって思ってて、それで、気付いた時には意識してた」

「あ……」

「ヒィちゃんの真っ直ぐな優しさが俺にはすごく眩しい。そのヒィちゃんの『特別』になりたいって思うんだ」


もしかして、私、今、告白をされている?
そう考えると、ぶわっと全身に電気のような衝撃が走って、それから火でもつくんじゃないかっていうくらい、顔が熱くなった。