二人が作ったお弁当は、豪快の一言に尽きた。

大きな手で握ったおにぎりはとても大きくて、海苔がぴっちり巻かれていて、まるで小型爆弾のよう。
ネギ入りの卵焼きは卵を何個使ったんだろうっていうくらい大きくて、その横には少し焦げたウィンナー。
分厚い牛肉のソテーと、プチトマトのマリネ。
彩りにはブロッコリー。


「うわ、すごい美味しそう! これ、本当に二人が?」


大きなお弁当箱を覗き込んで訊くと、二人は得意げに笑った。


「おう! 朝四時起きだぜ」

「杏里のかーちゃん、超スパルタなんだ。でも、あのかーちゃん直伝の味だし美味しいと思う」

「嬉しい! ミィ、半分ずつ交代して食べよう」


こんな素敵なお弁当を食べられるなんて。
美月ちゃんに言うと、ほっぺたを真っ赤にして「嬉しい!」と言った。


「あたし、あーくんの手作りご飯を食べるの初めて!
それに、あーくんのお母さんのごはんも、すっごく好きなの。また食べられるなんて思わなかった!」


正直なところ、男子高校生の作ったお弁当の量はハンパなかった。
だけど全部食べたくって、私たちはお腹一杯食べた。

体重?
ええ、きっと大変なことになるでしょうね。わかってます。

気合を入れてくれたのか、すっごく美味しいお肉を買ってきた二人を私は許さな……いや許す。
冷えても柔らかくって美味しいお肉とか、最高。

おにぎりには何種類も具が入っていて、私の大好物のたらこと高菜が仲よく同居していた。
この組み合わせ、罪深い。
白米がいくらでもいける。

ああ、毎日でも食べたい。
こんな素敵で美味しいお弁当を食べたことは、これまでなかった。


「うう……、お腹パーンしそう。でも、満足……」


パンパンに膨らんだお腹を撫でて、私はため息をついた。

私の横では、美月ちゃんが「美味しかったぁ」なんて満ち足りた顔で言っている。
しかもそのまま、嬉しそうに眠ってしまった。
今日は朝からいろいろあったから、疲れてしまったんだろう。