ケンカ別れのような形になっていた園田くんと美月ちゃんだったけれど、次の日のお昼のときにはまた、笑い合うことができた。
というよりは、お互いあの日の話をしなくて、なかったことのように振る舞ったのだ。
これで、いいんだろうか。
きちんと話をしなくて、いいのかな。
いやでも、ちょっと話し合ったからと言ってすぐ解決する問題ではないし……。
園田くんとはあの日のことについてちゃんと話していないのだけど、園田くんはどう思っているだろう。
いつものようにお弁当を食べながら、いつものように笑う園田くんに、少しの違和感を覚えてしまう。
美月ちゃんに体を貸した私は、近くて遠くにいる園田くんをただ見つめていた。
「さあ、そろそろヒィに体を返すね」
交代して、まだ一時間しか経っていない頃、美月ちゃんはするりと私の体から抜けた。
「ふえ⁉ え、美月ちゃん、早くない?」
予想していないタイミングで戻って来た体に動揺していると、美月ちゃんは私の横の椅子に座って「いいの」と言った。
「もう、いっぱい話せたし」
「え、えー? なんで」
「いいの。ほら、お弁当まだ残ってるよ。食べて」
美月ちゃんは私に、ほれほれ、と勧める仕草をする。
「あれ? ヒィちゃんに戻ったんだ」
「うん。なんか、もういいって」
「へえ? 美月ちゃん、どうしたのさ」
穂積くんが私の横に視線をやって言うと、美月ちゃんが「別にー」と言う。
「別にー、だって」
「ふうん、変なの」
それから、四人でいつものように会話をしながらご飯を食べて、夕方一緒に帰る約束をして、別れた。
というよりは、お互いあの日の話をしなくて、なかったことのように振る舞ったのだ。
これで、いいんだろうか。
きちんと話をしなくて、いいのかな。
いやでも、ちょっと話し合ったからと言ってすぐ解決する問題ではないし……。
園田くんとはあの日のことについてちゃんと話していないのだけど、園田くんはどう思っているだろう。
いつものようにお弁当を食べながら、いつものように笑う園田くんに、少しの違和感を覚えてしまう。
美月ちゃんに体を貸した私は、近くて遠くにいる園田くんをただ見つめていた。
「さあ、そろそろヒィに体を返すね」
交代して、まだ一時間しか経っていない頃、美月ちゃんはするりと私の体から抜けた。
「ふえ⁉ え、美月ちゃん、早くない?」
予想していないタイミングで戻って来た体に動揺していると、美月ちゃんは私の横の椅子に座って「いいの」と言った。
「もう、いっぱい話せたし」
「え、えー? なんで」
「いいの。ほら、お弁当まだ残ってるよ。食べて」
美月ちゃんは私に、ほれほれ、と勧める仕草をする。
「あれ? ヒィちゃんに戻ったんだ」
「うん。なんか、もういいって」
「へえ? 美月ちゃん、どうしたのさ」
穂積くんが私の横に視線をやって言うと、美月ちゃんが「別にー」と言う。
「別にー、だって」
「ふうん、変なの」
それから、四人でいつものように会話をしながらご飯を食べて、夕方一緒に帰る約束をして、別れた。