「あ、れ? ヒィ、おはよ。今、何時?」
「み、美月ちゃぁぁん!」
よかったよう、と泣き出した私を見て、美月ちゃんが驚いて体を起こす。
「ど、どうしたの⁉」
「美月ちゃん、丸一日以上、起きなくって! わ、私、怖くって!」
わあわあと泣きながら、私は美月ちゃんが全く目覚めなかった話をした。
「……そんなに、あたしってば寝てたの?」
窓の向こうの夕日を見て、美月ちゃんはぱちぱちと瞬きをした。
「そうだよ!」
泣きながら、私は二人に眠り姫が起きたことを知らせる。
安堵の返信がすぐに届いた。
「みんな、心配してたんだから!」
たくさんのやり取りの痕跡を見せようとスマホを突き付けると、窓の向こうを見ていた美月ちゃんが私に視線を戻して、そっと笑った。
「……そっか、うん。ごめん」
「ううん、もういいの。起きたんだし」
「疲れちゃったのかな。毎日ヒィの体をギリギリまで借りちゃってたから」
「そう? そうなのかな。じゃあとりあえず、今日はこのまま横になってて。無理しないで」
もう、あんな思いはしたくない。
美月ちゃんに少し強く言うと、「ヒィ、今の言い方ママさんに似てる」と美月ちゃんが笑った。
「え、そう? お母さんはどちらかと言うとお姉ちゃんの方が似てると思うけど」
「チィさんも似てるけど、ヒィも似てるよ。というわけで大人しく、言葉に従います」
ころんと布団に転がって、美月ちゃんはしばらく、天井を眺めていた。
本当に疲れているみたいだ。
それなら、邪魔しない方がいいのかもしれない。
涙をぐいぐいと拭いた私は、机に向かって放置しっぱなしの宿題のノートを広げた。
長い英文の解読がようやく半分ほど終わりかけた頃、美月ちゃんが「ねえ、ヒィ」と私を呼んだ。
「み、美月ちゃぁぁん!」
よかったよう、と泣き出した私を見て、美月ちゃんが驚いて体を起こす。
「ど、どうしたの⁉」
「美月ちゃん、丸一日以上、起きなくって! わ、私、怖くって!」
わあわあと泣きながら、私は美月ちゃんが全く目覚めなかった話をした。
「……そんなに、あたしってば寝てたの?」
窓の向こうの夕日を見て、美月ちゃんはぱちぱちと瞬きをした。
「そうだよ!」
泣きながら、私は二人に眠り姫が起きたことを知らせる。
安堵の返信がすぐに届いた。
「みんな、心配してたんだから!」
たくさんのやり取りの痕跡を見せようとスマホを突き付けると、窓の向こうを見ていた美月ちゃんが私に視線を戻して、そっと笑った。
「……そっか、うん。ごめん」
「ううん、もういいの。起きたんだし」
「疲れちゃったのかな。毎日ヒィの体をギリギリまで借りちゃってたから」
「そう? そうなのかな。じゃあとりあえず、今日はこのまま横になってて。無理しないで」
もう、あんな思いはしたくない。
美月ちゃんに少し強く言うと、「ヒィ、今の言い方ママさんに似てる」と美月ちゃんが笑った。
「え、そう? お母さんはどちらかと言うとお姉ちゃんの方が似てると思うけど」
「チィさんも似てるけど、ヒィも似てるよ。というわけで大人しく、言葉に従います」
ころんと布団に転がって、美月ちゃんはしばらく、天井を眺めていた。
本当に疲れているみたいだ。
それなら、邪魔しない方がいいのかもしれない。
涙をぐいぐいと拭いた私は、机に向かって放置しっぱなしの宿題のノートを広げた。
長い英文の解読がようやく半分ほど終わりかけた頃、美月ちゃんが「ねえ、ヒィ」と私を呼んだ。