*
公園で眠りについた美月ちゃんは、翌日の夕方まで目覚めなかった。
今まで眠ることが多かったけれど、こんなに長く眠ったのは初めてで、私はもしかしたら美月ちゃんがずっと目覚めないんじゃないかと焦って、それから怖くなった。
こんな別れは、絶対に嫌だ。
親や姉が訝しむのも構わずに大声を上げたりして彼女を起こそうとしたけど起きなくて、深夜三時に園田くんに泣きながら電話する。
園田くんの声が聞こえるように耳の傍までスマホを持って行き、大声で名前を呼んでもらった。
だけど美月ちゃんの眠りは深くて、ピクリともしなかった。
下手に美月ちゃんを動かすのもいけないような気がした私は、夜が明けても学校へ行かず部屋に籠もって、眠る美月ちゃんの前にじっと座っていた。
ひっきりなしに入る、園田くんと穂積くんからの連絡に、『まだ起きない』と返すのが辛い。画面が涙で滲みっぱなしだった。
園田くんと、あんな別れで終わるわけがない。絶対美月ちゃんは起きる。
だけど、やっぱり怖くて。嫌な想像をしてしまって。
「美月ちゃん、起きて。お願い、美月ちゃん」
何度も何度も、声をかけた。祈りながら。
「ん……」
窓から差し込む光が日暮れを知らせる頃。
眠り姫が身じろぎした時、私はそれだけで全身の力が抜けた。
公園で眠りについた美月ちゃんは、翌日の夕方まで目覚めなかった。
今まで眠ることが多かったけれど、こんなに長く眠ったのは初めてで、私はもしかしたら美月ちゃんがずっと目覚めないんじゃないかと焦って、それから怖くなった。
こんな別れは、絶対に嫌だ。
親や姉が訝しむのも構わずに大声を上げたりして彼女を起こそうとしたけど起きなくて、深夜三時に園田くんに泣きながら電話する。
園田くんの声が聞こえるように耳の傍までスマホを持って行き、大声で名前を呼んでもらった。
だけど美月ちゃんの眠りは深くて、ピクリともしなかった。
下手に美月ちゃんを動かすのもいけないような気がした私は、夜が明けても学校へ行かず部屋に籠もって、眠る美月ちゃんの前にじっと座っていた。
ひっきりなしに入る、園田くんと穂積くんからの連絡に、『まだ起きない』と返すのが辛い。画面が涙で滲みっぱなしだった。
園田くんと、あんな別れで終わるわけがない。絶対美月ちゃんは起きる。
だけど、やっぱり怖くて。嫌な想像をしてしまって。
「美月ちゃん、起きて。お願い、美月ちゃん」
何度も何度も、声をかけた。祈りながら。
「ん……」
窓から差し込む光が日暮れを知らせる頃。
眠り姫が身じろぎした時、私はそれだけで全身の力が抜けた。