二日後の、日曜日。
私はまたもや、姉譲りのふわふわした可愛らしいシフォンのワンピースに身を包んで、とある公園に来ていた。

美貌の、スタイル抜群の姉が着たらミニ丈のこのワンピース。
私が着たら膝丈になってしまう。

しかもだ。

胸元がキツイの、なんて仰っていたが、ちょう余裕ありますけど。
どうやったらこの服がキツイなんて言えるんだ、くっそ!


「くっそ。おねいちゃんめ」

「大丈夫! ヒィにもすっごく似合ってるから!」


自分を見下ろしてブツブツ言う私に、美月ちゃんが慌てて言う。
そんな彼女を見て、私は、美月ちゃんがこれを着たらきっととっても似合ったんだろうなと思った。
姉のように軽やかに、ミニ丈の裾をひらひらと舞わせたんだろう。


「すっごく似合ってるけど? 何がダメなの」


私の横には、美月ちゃんの他に穂積くんもいた。
穂積くんは知り合いに会いにくいと思われる学校から遠い公園を選んだうえ、万が一の時の為に自分までやって来たのだった。
ああ、この人は本当にいい人だなあ。
しかし私は、そんないい人に向かって鼻で笑った。


「穂積くんは、私のお姉ちゃんがこれを着たところを見てないから、そう言えるんだよ……」

「え、待って。ヒィちゃんのお姉ちゃん、そんなに⁉」

「うん。身内自慢しちゃうけど、すごいよ。ねえ、美月ちゃん?」


美月ちゃんに訊けば、彼女はこくこくと頷いた。


「すっごいよね! 清楚なのに溢れだす色気がもう犯罪者級! あんなに綺麗で可愛い人、あたし初めて見た!」


その言葉をそのまま伝えれば、穂積くんが色めきだった。


「お願い。いつか、お姉ちゃんみせて」

「お姉ちゃん彼氏いるよ」

「それでもいい。犯罪者級を見なきゃ、気になって夜も寝られない」

「あはは、何それ」