「はい、飲んで!」

「ありがとう、って、うあ、園田くん、どうして……」


どうして1リットルの紙パックを買ってきた。

汗をかいた大きな紙パックジュースを差し出されて呆然としていると、「出た、杏里のボケ!」と穂積くんがお腹を抱えて笑った。


「なんでそんなでけえの買って来るんだよ。ヒィちゃんもさすがに飲めねえでしょ」

「だって自販機にはなかったんだよ! 100パーセントのはコンビニでこのデカいのしかなかったから!」

「ゆ、融通きかねえ……。無理に100パーセントにしなくっていいじゃん。ヒィちゃんは最初から100パーセントがいいとか言ってなかったし」

「え⁉ あ、そうか!」


うわ、と焦った顔をした園田くんを見て、私はこらえきれずに爆笑した。


「あはははは、そ、園田くん、面白い。こんなに面白いなんて、知らなかった……あはは!」


あんなにクールに見えたのに、全然子供っぽいんだけど!
こんな園田くん、知らなかった。
なんて素敵な発見だろう。

目の端に滲んだ涙を拭って笑っていると、園田くんが頬を恥ずかしそうに染めて、笑った。


「えっと、とりあえず紙コップも買って来たし、三人で飲まねえ?」

「あはは、飲む」


それから三人で、ジュースがすっかりなくなるまで話をした。
二時間くらいで目覚めた美月ちゃんも混じって、四人でわいわいと話をするのはとても楽しかった。