ああ、途中でそんな名前が出てきたっけ。

たしかに近くにいる人物なら、誰にでもあてはまる。

そんなことを考えていると、ヒカリが、

「博美は違います。そんなんじゃありません。昔からの友達なんです」

と、否定した。

「甘い。犯人が男だって決めつけるな。そういう固定概念を持ってると、あっという間に殺されるぜ」

ニヤリと笑ったが、『殺される』なんて言われて笑えるわけがない。

私たちの反応が気に入らなかったのか、涼はスマホを返しながら、

「ヒカリ」と、声をかけた。

「行動には気をつけろ。今日みたいにひとりで帰るな。『今、殺してください』と言ってるようなもんだぞ」