「そのへんの男子なら投げ飛ばせちゃうかも」

なんて言ってるけど、その目が本気なのが怖い。


「未希さ、部活まだ決めないの?」

萌絵が両手を挙げて背伸びをしながら私を見る。

「まだ……。ていうか、もうこのまま『帰宅部』でもいいかなって思ってるんだよね」

「えー。もったいない。なにかやりたいこととかないの?」

「うーん」

空を見あげて考える。


いや、この半年の間もけっこう考えてきたんだけど。


「萌絵みたく、昔っから柔道をやってきたわけじゃないし。これといってないんだよね」