そして、もう一度向こう側のベンチに目をやった私は、

「あれ?」

と、声に出してた。

「どうかした?」

テレビの話が終わった萌絵が、スマホをいじくりながら尋ねた。

「う、ううん。なんでもない」


なんでもなくない。


彼の隣に座った女子が、あからさまに昨日とは違う人だったのだ。

昨日の人はショートカットで小柄だったけど、今彼の横に座っているのは、長身で髪の毛も長い人。


どうなってんの・・・・・・?


彼は同じように優しい目を女子に向けている。