あーあ……。
亜実でも校長先生でもダメなら、絶望的ってことかも。
「でも、柴田君ひとつ良いニュースがあるんだよ」
「なんですか?」
「河原崎君が費用を出して移植する、って話してただろう?」
「はい。でも、移植には時間がかかるって……」
「それがね」
ふふん、と鼻を鳴らす校長先生。
なんだか機嫌が良いみたい。
ということは、良いニュースかも。
バタバタと背後から音がして、今度はお父さんが走ってくる。
今度は真っ赤な顔をしている。
怒ってるときにいつもそうなる、ってことは確実に勘違いしているらしい。