「くさい」 部室に入るなりそう言う私に、涼は、 「すぐ終わる。ガマンしろ」 と、苦笑しながら言った。 「だから運動部ってキライなのよね」 文句を言ってもはじまらない。 野球部の部室は、汗の匂いが充満していた。 これじゃ、夜ご飯は食べられそうもないな。 顔をしかめながら中に入ると、窓側に佐藤太一がぼんやりと立っていた。 ユニフォームから制服に着替え終わっている。