人と関わることを避けてきた。
臆病な自分が嫌だった。
でも、そのくせ独りは寂しくて。
友だちができたらいいなと思って、洗濯部に入った。
一匹狼だと思っていた米川さんは、話してみるととても気さくで、大人っぽいと思っていたけれど全然そんなことはなくて。
緊張して話せないかと思っていたけれど、こんなに楽しく話せるなんて、思ってもみなくて。
「ここ最近、私ずっとジャズを聴いてて」
「え! なに、どんな曲?」
「初心者にもおすすめっていうのをグーグルで検索してたんだけど、もっと色々知りたくて」
米川さんは興奮したように身体を起こして、私にたくさんのジャズの曲を教えてくれた。
その瞳の輝きが、私にはとても眩しくて。
でも、ずっとこのまま話していたいと、そう思った。