性別を偽ってでも、この子の隣にいることを決めた。

この先何があっても、絶対にそばにいることを決めた。

もう二度と手を離さない。鬱陶しがられても追いかける。

“君を忘れない”。あの頃の君の笑顔を取り戻す。



この手で、君を守るよ。



ぽろりと零れかけた涙を強く拭った。この世で誰よりも綺麗な笑顔を作った。そして、こう言った。


『私は紫苑。あなたの幼なじみ。初対面じゃないから気を遣わないでいいわよ』


え、と声を漏らした桜に、満面の笑みで応える。




『私たちは、――親友なんだから』