簡単だから二回目もやる?


私だったら、大金持ちになれるって言われても、二回目なんてやりたくない!


「あ、あのね。私の成績は普通なんだ。120人中53位。だから、もう少し勉強しないとって……ひゃっ!!」


話している途中で、足に何かヌルッとするものが絡み付いたような気がする。


こんな事までしてくるなんて……幽霊は質問する隙を作ろうと、私に色々してくるんだ。


階段に辿り着いて、やっと下の階に下りられる。


安心して、フゥッと溜め息をついた時だった。










「トコロデ、アナタハ……」









「あ!そ、そうだ!この前の学校祭でね、先生がバンド演奏したんだよ!」


あ、危なかった……今、質問しようとしていたよね。


話を途切れさせちゃダメ。


ずっと話し続けないと、私の大切な物を失ってしまう。


「演奏自体は上手だったんだけど、歌を歌った先生が音痴で……ひっ!皆、笑ってたんだ」


今度は腕を掴まれた。


強引に私を邪魔をしているわけじゃない。


ただ脅かして、質問する機会を伺っているだけ。


それだけなのに……それに恐ろしいほどの悪意を感じる。







ズズッ……。








引きずる音が、さらに増えた。