『我々は、反乱軍である』





 夏休み直前の期末テスト最終日。
 開放感に包まれていた学園に、"それ"が響き渡った。



『これは、学校に対する、優劣をつけて子供を格付けする大人たちに対する、そしてこの狭い学校という場所で偉そうにしているお前たちに対する——』



 自信に満ちた声。
 やけに雑音がひどい。あと音割れも。そうすることで無理やり声を特定できないようにしているのかもしれない。



『宣戦布告である』



 全身が、粟立つのがわかった。
 


『仲間よ、戦士よ、集結せよ』



 そう言って、ブツリ、と音が途切れた。
 
 もう夏休みに入ったような浮かれた気分は、どこかの誰かの放送ジャックによって冷水をぶっかけられたかのようにどこかに吹き飛んでいった。



 その日、"私の日常"にピキリとヒビが入った。