「純子。それ、千夏に言わされてるんでしょう?」
唇をキュッと結んで遙香が言う。

「……違う。あたしが決めたの。あなたたちがキライなの。こうやって優しくされるのもうんざり。だから、もうこれからは話かけてこないで」

「ひどいよ、純子。ウチらがなにしたって言うのさ」
ようやく意味を理解した瑠奈が抗議した。

遙香は黙って立っている。

「話はそれだけだから。バイバイ」
そこまで言い切ると、あたしは女子トイレから飛び出した。

外に出たところで涙がこぼれた。


ニヤニヤと千夏たちがそこに立っていた。

やっぱり立ち聞きしてたんだ。

あたしの顔を見ると満足そうに歩いてゆく。


殺してやりたい……。


はじめてそう思った瞬間だった。