ふと、屋上の手すりが見えた。

そこまでフラフラと歩くと、下を見おろす。

まだ校庭で遊んでいる生徒が見える。


ここから飛びおりたら、どんなにラクだろうか。


あの悪魔たちから逃げることができる。

お母さんからも。

先生からも。

あたしには味方なんていない。

唯一の友達だと思っていたふたりとも、もう絶交しなくてはならない。

生きているのが、こんなにつらいなんて思わなかった。


死んでしまいたい……。


でも、そんな勇気もない。


ため息をつくと、あたしは手すりから離れて教室へ歩き出す。