殺す……。

その言葉を当然のように言う千夏。

きっと彼女なら本当にそうするだろう。

足音が遠ざかる。

今日の処刑はこれで終わりなんだ……。

「絶交しなよ!」

最後に千夏がそう言って、屋上の扉は閉ざされた。


どれくらい泣いていたのだろう。


ようやく涙が止まったあたしは、ゆっくり起き上がった。

顔中がくさい。

髪の毛も。

屋上の端にある蛇口から水を出すと、ハンカチで汚物をぬぐった。

いくら拭いても臭いはとれない。


また涙があふれてくる。