「あははは。これは、傑作ですね」
美鈴の声とともに、カシャッという音。

顔を上げると、美鈴がスマホで写真を撮っていた。

「喰えって言ってるだろ!」

すぐにまた押し付けられる顔。

おかずの汁気で顔中がベトベトになってる。

「これに懲りたらさ、逆らうなんてバカなマネやめな。ね?」
千夏の声がすぐ近くで聞こえた。

なにか合図を出したのだろう。

急に加えられていた力が弱まる。

「うう……」

涙が後から後からどんどんあふれる。

「あ、そうそう」

千夏があたしのそばにしゃがみこんだ。


「チクったら殺すから」