すぐに千夏があたしに馬乗りになったかと思うと、乱暴にあたしの髪をつかんで引っ張った。

「痛い!」

「あんたに選ぶ権利なんてないんだよ!」

無理矢理起こされた顔を、千夏はまた叩いた。


パンッ!


痛みでジーンとする頬。

髪を右へ左へ引っ張られ、悲鳴が自然に口から出た。

「やめて! やめて!」

お腹のあたりを殴られ、意識が飛びそうになる。

コンクリートに倒れこむと、千夏はそのままあたしに馬乗りになった。

「やめ……」

また殴られると思い両手で顔を守ろうとするが、千夏はそのままあたしの耳に顔を寄せた。

「純子」

そう耳元でささやく。