頭が痛い。

頭が痛い。

「あたしオレンジ。渚はお茶?」

「うん。よろー」

「ウーロン茶でお願いします」

澄ました顔で美鈴はあたしを見た。

「……わかった」

あたしは立ち上がる。

買いに行きたいわけじゃないけど、この場から離れられるなら……。


……でも。


「あの……。お金は?」
おずおずと、そう尋ねると渚が勢いよく立ち上がった。

「お前、ふざけてんの?」

その声は低く、ドスが効いている。

あたしとの間隔をつめると、渚はあたしの胸ぐらをつかんだ。

「っ!」