あたしのお弁当……。

早起きして作ったお弁当が、目の前で食べられている。

千夏も渚も、美鈴も……、あたしの存在なんてないかのように食べている。

またキュッと胸が痛い。

「ねぇ、ジュース買ってきてよ」

その声に我に返る。

「え?」

誰が言ったのか分からなくて、あたしは3人の顔を見る。

なんだか頭が痛い。

「聞こえなかったの? ほんと、純子はノロマなんだから」
そう言って高い声で笑う千夏に、他のふたりも合わせて笑う。

あたしのことを笑っているんだ。

そう思うと、モヤモヤしたイヤな気持ちがわきあがってくるよう。

「さっさと行けよ」
渚が口におかずを入れたままで言う。
「ダッシュだからな」

「さすが、体育会系」

千夏がさらに笑う。