「ひどい? そうかしら」

あくまで余裕に千夏は優雅に微笑む。

「なんで……こんなことを?」

「これからあんたはあたしの部下だから」

「部下?」

「そう。今日のことバラされたくなかったら、あたしたちの言うことを聞くこと。イヤなら退学になるから」
そう言うと、千夏は立ち上がった。

急に千夏が大きく見えた。

「……そんな」

「とりあえず明日の昼休みも屋上に来て。もちろん、断ることはできないから」

千夏は自分のカバンを手に持つと、
「それじゃあ、また明日」
と、ニヤリと笑って出て行った。

「……」


ひとり残された指導室では、なんの音も聞こえない。